効果的な勉強法
TOEFLリスニングの特徴は、音声を聴き終わってから設問に回答するというスタイルです。
TOEFLやIELTSのように事前に答えとなる情報を予測することができない、かつ答えをすぐに回答できないので、メモを活用したりして内容を覚えておく必要があります。
しかし、以前のレッスンで述べたノートテイキングについて自分の意見を繰り返すと、ノートテイキングの効果には個人差が大きく影響します。
つまり、ノートテイキングの練習をすることが必ずしも効果的な勉強法と言えません。
そこで、私がオススメする勉強法が「要約作成」です。
なぜ要約作成が効果的なのか
要約とは、元の内容から要点となる部分を抜き出し、より簡潔な言葉で言い換える(又は書き換える)作業です。
見やすい要約を作るためには、以下の能力が必要になります:
- 音声を聴き取る力
- 聴き取った音声から内容を把握する力
- 把握した内容を重要度別に分類する力
- 上記で得た情報を自分の言葉として再構築する力
まず、「1. 音声を聴き取る力」と「聴き取った音声から内容を把握する力」は、リスニングをする上で基盤となる能力です。これは、どの勉強方法でもある程度鍛えることができます。
「3. 把握した内容を重要度別に分類する力」は、言い換えると要点を掴む力です。単に英語を聴き取るだけでなく、どの部分が話し手の伝えたいメッセージに当たるか、を判断する力で、これは単に翻訳や音読をするだけでは身に付きにくい力です。
「4. 情報を自分の言葉として再構築する力」は、インプットした情報をアウトプットする作業です。多くの場合、独学はインプットのみで終わらせてしまいますが、インプットだけで終わらした勉強は「覚えたつもり」になっているだけで、実は理解できていないというケースが多々あります。
人の理解度が一番上がる方法は「他者にその知識を教えること」です。
現実的に考えて、要約を作るたびに周りの人たちにその話をしていたら鬱陶しいですが、書き起こすことで「未来の自分」にインプットを教える経験として機能します。
また、TOEFLの問題形式を考えたときに、要約作成はライティング・スピーキングと半分以上のセクションで同じ能力が必要になります。
このことから、TOEFLリスニングの勉強法として、要約作成を行うことはとても効果的だと考えられるのです。
要約作成のやり方
要約作成は「音声を聴く→要約を作成する」が基本的な学習方法ですが、最初からリスニング音源を全部聴いて、全部要約することは非常にハードルが高くなります。
負荷が高すぎる学習は、インプットの質が落ち学習効果が上がらないので、最初は自分のレベルにあった負荷で行うことが大切です。
例えば、
- 音声を三〇秒聴く
- 音声を止めてそれまでの内容をまとめる
- 続きの三〇秒を聴く
- 2, 3の繰り返し
のように、短い時間に区切って要約を作成していくと負荷の調整が容易になります。
慣れてきたら「一分、二分…」と音を区切るタイミングを遅らせていき、最終的に五分を目指して学習していくと効果的です。
それでも難しい場合は、トランスクリプトを参照しながら要約を作成してみてください。
要約作成した教材は、他の教材に比べるとより精密に内容を理解できています。理解度が高くなった教材は、通勤通学中に繰り返し聞き流して、英語の音声を聴くと同時にその情景が頭に浮かぶまで定着させていきましょう。