エッセイの段落構成
効果的なエッセイを書くためには、各段落の役割を正しく把握することが大切です。
役割を理解することで、
- 論点がズレにくくなる
- どんなことを書くべきかがわかる
- 読み手が理解しやすくなる
というメリットがあります。
英語のエッセイは、基本的に以下の段落構成に沿って構成していきます。
各段落の役割をみていきましょう。
1) 導入
導入パラグラフでは「問題提起」と「Thesis Statement」を明示することで、課題に対する自分のポジションを読み手が把握しやすくなります。
- 問題提起:エッセイで解決したい特定の問題・疑問・対立・論争
- Thesis Statement:特定の問題・疑問・対立・論争に関して、自分の人生経験を通して得られた自分なりの解釈・見解
問題提起では、読者と共通認識できる抽象度の高い話題を述べることで、書き手から見えている課題を読者と共有します。
※ IELTSやTOEFLなどの資格試験では、この部分は設問内容のパレフレーズ(置き換え表現)を挿入します。
Thesis Statementは、問題提起で挙げた課題点に対して「書き手はどのように考えているのか」を述べていきます。
導入に続くボディで、このThesis Statementを軸にその内容が「どれだけ納得できるか」と読者に説得するかを展開していきます。
例えば、
- Extreme sports such as sky diving and BMX are very dangerous and should be banned. To what extent do you agree or disagree with this view?
- 「”スカイダイビングやBMXなどのエクストリームスポーツは危険なので禁止するべきである” という考えにどの程度賛成、または反対できるか?」
という設問に対する導入パラグラフを見てみると、
- Some say that participating in extreme sports has high risks and could end life and that it therefore ought to be prohibited.
- 「エクストリームスポーツに参加することはリスクが高く死亡する可能性があるので禁止するべきであるという考えがある」
と、設問とほとんど同じ内容のことを異なる語彙や表現を用いて書き直していることがわかります。
続いてTheisis Statementとして、
- I personally disagree with this statement because everyone should have the right to do whatever they want with their lives and bodies.
- 「この考えに個人的に同意できない。なぜなら私たちは自分自身でやりたいことを行う権利があるべきだからだ」
と、自分が上記の課題に対してどのような意見を持っているのかを明確に述べています。
こうすることで、読み手は短い文章の中で「どんな課題に対して書き手はどう考えているのか」というエッセイ全体の大枠を理解することができます。
2) ボディ
ボディでは、Thesis Statementに納得感を持たせるための考えや主張を理由や具体例とともに述べていきます。
- 主張:Thesis Statementに関する独自の解釈や見解
- 理由:「主張」に対して「なぜそう考えられるのか?」という理由
- 論拠:「なぜそう言えるのか?」という客観的な事実や具体例・個人的体験など
主張は「トピック・センテンス」とも言われ、その段落で議論を深めていきたい論点のことを指します。
通常トピック・センテンスはTransition Wordsと組み合わせて書き出され、前段落の内容とどのようにその段落が関連しているのかを明示することで読み手が理解しやすい段落を構成することが可能です。
Transition Wordsとは、
- Sequence(順序を示す):first/second/third, firstly/secondly, to begin with, etc.
- Adding(追加する):moreover, additionally, in addition, besides, etc.
- Contrast(退避する):however, on the other hand, in contrast, on the contrary, etc.
のように、前後の文章・段落の関係性を示す語彙やフレーズのことを指します。
主張を述べた後は「Why So(なぜそう思うのか)」を繰り返し行い、個人的な主張に客観性や説得力を持たせていきます。
例えば先程あげた導入パラグラフの例に対して、
- To begin with, it is generally agreed that it ought to be up to each individual what they wish to spend their time on.
- People themselves should be able to decide for themselves what risk they think is worth taking.
- Extreme sports can, for some, be a way of coping with hard things and feeling free. For instance, people who skydive express the joy of doing so and the feeling of flying makes them happy. Therefore, they might develop a need to do it over and over again.
- 「まず、何に時間を使うかは個々人の責任であると一般的に考えられている。私たちは、どのようなリスクは取る価値があるか自分自身で決めるべきである。エクストリームスポーツは一部の人にとって困難に対処し、自由を感じる方法になり得る。例えばスカイダイビングをする人は、その楽しさを表現し飛んでいる感覚が幸せだと感じる。そのため、何度も何度もやりたくなってしまうのである」
と述べることで「エクストリームスポーツは廃止にするべきではない」という自身のThesis Statementを肯定し、その内容に説得力を持たせることができています。
3) 結論
結論では、これまで述べてきた内容の要約及びThesis Statementを再度述べることで自分のポジションをより強固に示していきます。
※ Thesis Statementのパラフレーズを述べることが一般的です。
例えば、
- To conclude, despite the risks and dangers of extreme sports, I strongly think that it is not up to the government to decide whether or not to prohibit this kind of activity. The decision should lie in the hands of each individual.
- 「結論として、エクストリームスポーツのリスクや危険性にもかかわらず、このような活動を禁止するかどうかを決めるのは政府ではないと私は考える。意思決定は個々人に委ねられるべきだ」
のように、設問の内容とThesis Statementを織り交ぜながら改めてエッセイ全体で伝えたいことをシンプルに伝え直します。
- エッセイは「導入・ボディ・結論」の三点から構成される
- 導入のThesis Statementがエッセイの軸になる
- ボディは「Why So」を繰り返し主張に説得力を持たせる