ライティングでよくある間違い
ライティングの添削をしていて、頻繁に見かける文法間違いについて紹介していきます。
1) 接続詞と副詞の混合
まずは以下の例文をみてみましょう。
- I thought his idea was great, however I did not agree with it.
- 「彼のアイデアは素晴らしいと思ったが、同意はしなかった」
however は「接続副詞」と言い、接続詞として節を繋ぐ機能を持っていません。
日本語的な意味を考えると but「しかし」と同じような意味として理解することはできますが、アカデミック・ライティングでは語句を適切に使用できていないと判断されます。
対処法として、例えば以下のように表現すると適切なセンテンスになります。
- Although (I thought) his idea was great, I did not agree with it.
- I thought his idea was great. However, I did not agree with it.
1つの目の対処法は副詞ではなく従位接続詞 although を用いることで節同士を繋ぐことができるので、適切な文章になります。同様に but を用いても問題ありません。
2つ目の対処法は2つの節を分解して、それぞれ独立させて表現するパターンです。
なお、スピーキングにおいては、センテンスの区切りが判断しにくいので、例で出したように表現しても大きな問題はありません。
2) 接続詞を使用した単文
こちらもまず以下の例をみてみましょう。
- The person I respect is my boss. Because he has strong leadership and a great personality.
- 「私が尊敬する人は私の上司です。なぜなら彼はリーダーシップと素晴らしい個性を兼ね備えているからです」
because は「接続詞」なので節同士を繋げる役割がありますが、上記の例だと節を繋げることなく単文(シンプル・センテンス)で使用されています。
これも最初の例と同じで日本語で考えると違和感のない文章ですが、アカデミック・ライティングの観点からみると「接続詞を適切に使用できていない」と判断されるので減点対象となります。
対処法として、「接続詞」を使用する時は必ず復文(コンプレックス・センテンス)で使用する、もしくは「接続副詞」を用いて2つの独立したセンテンスにしてみましょう。
- The person I respect is my boss because he has strong leadership and a great personality.
- The person I respect is my boss. Therefore, he has strong leadership and a great personality.
これらもスピーキングではセンテンスの切れ目が判断しにくいので、大きな問題はありません。