英語が聴き取れない理由
一般的に日本語話者は、英語の「R」と「L」を聴き分けることが苦手です。
というのも、いずれの音も日本語の「ラ行」で置き換えることができるので「R」と「L」をわざわざ区別する必要がないからです。
わざわざ区別する必要のない情報に反応しているとそれだけ脳には負荷がかかるので、成長の過程でこれらを区別する能力は徐々に退化していきます。
例えば「R」と「L」の他にも、
- see [ síː ] – she [ ʃíː ]=「シ」
- hot [ hάt ] – hut [ hˈʌt ] – hat [ hˈæt ]=「ハット(ハート)」
- ban [bˈæn] – van [ vˈæn ] =「バン」
- think [ θíŋk ] – sink [ síŋk ]=「シンク」
など、英語では細かく区別される個々の音と似ている日本語の音に置き換えて混合して理解します。
本来、英語を日本語とは異なる別の言語としてインプットする必要があるにも関わらず、英語を日本語として理解しようとしていることで、英語が聴き取れないという現象が起こります。
このように、インプットした音を自分の母国語に変換して認識してしまう現象を「マグネット効果」と呼びます。
発音の再現性を高めることで英語を自分の言語にする
マグネット効果は、聴き取った音声情報を脳が無意識に認識することで起こるので、意識するだけでどうにかなるものではありません。
そこで重要になるのが、再現できる音声の幅を増やすこと。つまり「発音矯正」です。
自由に再現できる音は、脳にとって馴染み深い音になるので日本語として分類されずに認識されるようになります。つまり、自由に使える発音が増えるほど、聴き取れる音が増えてリスニングの精度が高くなるということです。