OETのリスニング戦略
リスニング戦略
OETのリスニングパートで、合格スコアに到達するために最適なスコア配分は以下の通りです:
- PART A:20/24点
- PART B:3 / 6点
- PART C:7 / 12点
日本語話者が、OETリスニングで最もスコアが取りにくいのが「PART C」です。
PART Cは、音声を聴きながら設問と選択肢を読んで答える形式です。音声を聴きながら英語を読むというのは、非ネイティブにとっては異次元のレベルで難しいです。
多くの場合、選択肢を読んでいるうちに、音声で何を話されているのかを見失います。
「気づいた時には、すでに数問先の内容を話している」
そんな経験がありませんか?
当然、読解の精度も落ちるので、正答率は安定しません。調子が良い時にはたまたまスコアが伸びたり、逆に調子が悪い時はスコアが全然取れません。
この「安定感の無さ」に勉強時間を割くのはあまりにも無謀な賭けです。というわけで、English Revolutionで紹介する戦略ではPART Cの対策には焦点を当てません。
PART B と Part Cはなぜ難しい?
PART Bは、PART Cが一問一答形式になったフォーマットです。
聞き逃す心配もないので、一見簡単そうに見えますが実は問題の精巧さは全てのパートの中で一番難解です。
参考までに、以下の問題とトランスクリプトを見て回答を考えてみましょう:
- 26. You hear members of a hospital committee discussing problems in the X-ray department.
- The problems are due to a delay in
- A. buying a replacement machine.
- B. getting approval for a repair to a machine.
- C. identifying a problem with a particular machine.
トランスクリプト
F: | So next on the agenda is the problems in the X-ray department. Nick, would you like to fill us in here? |
M: | Well, as you all know, this is a very busy department. Err, so we have four X-ray machines in all, including one in the Fracture and Orthopaedic clinic area, but recently one of the other X-ray machines developed a fault and so we had to apply for authorisation for the purchase of a new tube for it. There’s been some kind of hold up with the paperwork, and while we’ve been waiting, patients are being brought into the Fracture and Orthopaedic area for X-rays there instead, and of course that’s causing further congestion. |
上記を見てみると、選択肢AとBどちらも正解に思えてきませんか?
本来、IELTSやTOEFLなどの英語試験ならば、Aが正解になっても全く問題はありません。パラフレーズも含まれているし、内容解釈も概ねあってます。
しかし、OETはそこの点がすごく曖昧です。
多くの場合、三択のうち二択は同じような内容が含まれている。それをわずかな情報から消去法しなくてはいけません。音声情報なので、本当に難解です 。
今回の場合は、”a new tube for it” とあるので「機材を取り替える」わけではなく、あくまで「修理する」ことが目的であることが分かります。
二つ残った選択肢のうち「どちらがより適切であるか?」ということを常に念頭に置いて問題を解く必要があるため、感覚的に問題を解くと高い確率で不正解になってしまいます。
PART Aの対策に焦点を当てる
そこで重要になるのが、PART Aで8割以上の正答率を目指して対策するということです。
PART Aも難しい問題ですが、PART BとCのように解釈が求められません。聞き取れる情報が多く慣ればなるほど、よりスコアに結びつきやすくなります。
リスニング対策となると、どうしても自分が苦手なパートやスコアが低いパートに目が行きがちです。
しかし、これまでの受講生をみる限り、PART BとCをいくら対策してもスコアが安定して取得できた事例はありません。
PART Aで20点以上稼ぐことができれば、後は22問中10点以上取れれば合格ラインです。
全てのパートを対策しようと思っても時間は有限です。ならば、やるべきことはフォーカスする内容を決めて、それを軸に対策をすることです。