「親身な」雰囲気を伝えるには
「OETスピーキング:採点基準」で説明したように、OETスピーキングは言語評価とコミュニケーション評価の2つの観点から採点されます。
このレッスンでは、コミュニケーション評価に含まれる「Relationship Building(信頼関係の構築)」と「Understanding and incorporating the patient’s perspective(心情の把握)」の観点で評価をあげる方法を紹介します。
これら2つの観点では主に、
- 自然に会話を進行することができるか
- 親身になってコミュニケーションを取ることができるか
- 共感を示すことができるか
の3点が重要になります。
どのような表現で、これらをカバーできるのかを実際のコミュニケーションを参考にしながら見てみましょう。
会話例)一般的なコミュニケーション
まずは、一般的な医者と患者のコミュニケーションを見てみましょう。
Doctor: | Good Morning, My name is [Your Name]. I am your general practitioner. Before we start can I check your name? |
Patient: | Hello, Dr. [Your Name]. I’m [Patient’s Name]. |
Doctor: | Thank you Mr/Mrs. [Patient’s Name]. Now tell me, what has brought you in to see me today. |
コミュニケーションの流れを見る限り大きな問題なく、単刀直入に患者の容体を把握しようとしている様子が伺えます。
リスニングパートAでも同じようにコミュニケーションが進むことがあるので、上記のような表現を用いる受講生の方が多いです。
自然に会話を始めることができている一方で、どこか事務的でどんな患者に対しても同じように対応しているような印象を与えてしまう恐れがあります。
会話例)親身な印象を与えるコミュニケーション
では次に、より親身な印象を与えるコミュニケーションを見てみましょう。
Doctor: | Good Morning, My name is [Your Name] I am your general practitioner. Firstly can I check how you would prefer to be called?” |
Patient: | Hello, Dr. [Your Name]. I’m [Patient’s Name]. |
Doctor: | Thank you Mr/Mrs. [Patient’s Name]. I understand you have some concerns about your symptom. I am here to answer your questions as best as I can. |
Patient: | Thank you. |
Doctor: | Now [Patient’s Name], could I … |
下線部が引かれている文章に注目してみると、より丁寧かつ患者の心情を汲み取った表現に置き換わっているのが分かります。
どんなに笑顔でコミュニケーションが取れていたとしても採点は録音された音声を元に行われるので、意図的に共感を示す表現を口に出すことが高い評価を得るための重要なポイントになります。
また、患者に敬意を示すために、自分の名前を伝えることと相手の名前を確認することは必ず行いましょう。
もし、ロールプレイ・カードの内容で「以前に診療したことがある」という内容だった場合は、
- As a reminder, my name is Dr.[Your Name]
- Could you remind me of your name, please?
のような表現で、名前を再確認しておくと良いでしょう。
- 親身な表現を心がけることでスコアアップ
- 意図的に親身な表現を言葉にする
- 自分の名前を伝えることと相手の名前を確認すること