発音応用09. 音声変化 「ラ行」
1. 変化する「ラ行」の音
単語のスペル上に “r” や “l” の文字がある場合でも、いわゆる日本語の「ラ行(と似た音)」で発音しないケースが3つあります。それが以下の3つです:
- 母音のような音になる [l]
- 語中で曖昧な音になる [r]
- 日本語のラ行に近くなる [t] [d]
上記の3つのケースを具体的な例を聴きながら確認していきましょう
。上記で紹介したケースの順番で、実際の例文が流れます:
- Mr. Trundle thinks it’ll rain a little.
- This horror movie is about a scary mirror.
- Betty made a lot of pudding.
上記の1では、”it’ll” を「イトル」とは発音せずに、「イトゥ」と発音しています。これは、次の音にスムーズに繋げるために「ル」の音を発音することを省略するということで自然に発生します。
他にも “all” [ɔːl] などは、単語そのものでは語末に [l] がありますが、他の語とつなげて使用することが多いために「オール」ではなく、「オーゥ」と発音されます。
上記2では、”mirror” は「ミラー」ではなく、どちらかと言えば「ミワー」と聴こえます。語頭の [r] よりも、語中の [r] は明確な始まりを持たず、若干舌を浮かしていることからこのような音になります。
これも、後に続く音との繋がりをスムーズにするために起こる音声変化です。
最後に3ですが、[t] と [d] に続く母音に強勢がないと、日本語のラ行の音のように舌が上の歯茎を弾く音に変化します。(特にアメリカ英語の場合)
そのため、 “Betty” は「ベティ」ではなく「ベリ」、”lot of” は「ロットオブ」ではなく「ララブ」のように発音されます。
練習課題
次の例を聴いた後に、音声変化を意識して発音してみましょう:
- Little by little, Patty is getting fatter.
- I’m putting the metal ladle in this kettle.
- What’ll you tell the waiter about the butter?
- Betty cuddled her teddy bear and put it in her cradle.
- He‘s poorer but cheerier since he became a laborer.
- Our terrier seems terrified of the mirror.
- You should sample our local food and our powerful alcohol.
- Material possessions do not bring durable happiness.
- Laura had a typical upbringing in a rural area.
- Ms. Randle may stumble upon a logical solution.