発音応用05. 語末の音声変化 [ 摩擦音 + 母音 ]
1. 語末の摩擦音と母音が繋がる発音
語末の摩擦音 [ f, v, θ, ð, s, z, ʃ, ʒ, h ] は、次に続く音が母音で始まると音が合わさって発音されます。
個々の単語では聴き取れるのに、文章になると聴き取れなくなる原因はこの音の組み合わせによる変化が原因です。
また、日本語話者が英語を話すとカタカナ英語に聞こえてしまう原因も、この音の連続にあります。
基本的に音が連続する時には一息で区切ることなく発音されますが、カタカナ英語に聞こえてしまう場合は余計に音の区切りが入ります。
以下の例では例文を連続して発音した場合と、音を区切った場合の発音を聴き比べます。
よりナチュラルに聞こえるのはどちらか意識して聞いてみてください。
- 連続なし :I’ll | live | uptown | with | Andy | next | year.
- 連続あり :I’ll – live – uptown with – Andy – next – year.
- 発音記号 :[ aillivʌptawnwiθændinekstjiɚ ]
- 日本語 :アイリヴァプタウンウィザンディネク(ト)イヤー
- 連続なし :Jazz | always | seems | to | chase | away | my | blues.
- 連続あり :Jazz – always – seems – to – chase – away – my – blues.
- 発音記号 :[ dʒæzɔ:lweizsi:mztətʃeisəweimaiblu:z ]
- 日本語 :ジャゾールウェイズシームズタチェイサウェイマイブルーズ
- 連続なし :Let’s | kick | out | those | queer | guys.
- 連続あり :Let’s – kick – out those – queer – guys.
- 発音記号 :[ letskikautðouzkwiɚgaiz ]
- 日本語 :レッツキカウゾーズクイアガイズ
- 連続なし :They | all | jog | in | the | park.
- 連続あり :They – all jog – in – the – park.
- 発音記号 :[ ðeiɔ:ldʒaginðəpaɚk ]
- 日本語 :ゼイオールジョギンザパーク
強調などのためにわざとゆっくりと発音しない限り、一息で発音できるある程度の音のつながりは連続して発音されます。
つまり、音声だけで認識しようとするとどの音が語末であり、どのように文章が構成されているかが不明確になります。
そこで重要になることが、語彙力と文法力です。前後の文脈から話の流れを推測して、聴き取れた情報を整理していくことで聴き取れた音声の意図を把握していきます。
練習課題
次の例を音の連続に注意して聴き取り、自分で発音してみましょう。聴き取ることができたら自分で発音してみましょう:
- Garth – almost forgot the loaf of – bread.
- I gave – all the fish a – lot – of – food.
- His breath – isn’t fresh – at – the moment.
- It’s not worth – our time to fix – up this house.
- He studied – English all night for this tough – exam.
- The expensive – ice cream is smooth – and creamy.
- They gave – up, so you can cross – out their names.
- This is not – a safe – occasion to laugh at – the boss.
最初はカタカナで音が繋がる感覚を掴んでみてください。徐々に発音記号を意識して発音練習を積み重ねて、最終的には初めて出会う文章でも音を連続させて発音してみましょう。